私も会社勤めをしながら難関といわれる資格試験の勉強をしていました。
なので、社会人受験生の心の葛藤の描写など深く共感でき、涙、涙でした。
特にオリンピックをマイルストーンに4年前の自分と今の自分を、スポーツ選手との対比で比較して、「この4年間何もしてなかった」という記述はまさに私もそのように思ったときがありました。
また、1日15時間勉強したという努力もすごいのですが、アナウンサーをしながら法科大学院に通っていた頃は車の中で睡眠をとるという、テレビの画面からは想像もつかないような努力がありました。
これは、ちょっと専門的になってしまうのですが、法律系試験の論文試験では自分の思いを書くのではなく、合格者が書くと思われることを書くという、いわゆる「守りの答案」が必須になってくるのですが、菊間さんはこれを「ヒゲダンス」と名付けていました。
抑えて抑えて書くという意味でピッタリの表現で、命名センスに感心しました。
社会人の方で資格試験を目指されている方にとっては、これ以上ない合格体験記です。
資格試験を目指していない方にとっても、人生を変えようと思っている方にとって背中を思いっきり後押ししてくれる一冊です。
私が弁護士になるまで 菊間千乃